2023年は、DALIがデンマークの小さな倉庫で細々と創業を開始して以来、40年にわたる歩みを記念する年となりました。この40年間で、DALIは世界の音楽ファンに愛され、スピーカー・ブランドとしての名声を高めつつ、一貫したポリシーでDALI独自の製品を世に送り出してきました。
2023年は、DALIにとってさらに革新を進めていく新たなスタートの年となることでしょう。DALIは今後も優れたオーディオ製品開発を追求し、自らの限界を押し広げ、スピーカーの開発においてさらなる革新を約束します。
DALIの始まり
デンマークには、ハイファイ・オーディオを愛してきた長い歴史があります。1915年、初期の蓄音機が商業化され、人々が自宅で再生する音楽を購入できるようになった直後、デンマークのエンジニア、起業家、そして後にオーディオ技術協会の名誉会員となるピーター・L・イェンセンが、ムービングコイル・ダイナミック・スピーカーのコンセプトを世界に紹介しました。
1983年、デンマークの小売業者であるHi-Fi Klubbenは、その数年前に創業者であるピーター・リンドルフの自宅の地下室でNADスピーカーを製造していたことから学んだことを基に、DALIブランドを設立しました。音楽への変わらぬ情熱と、手頃な価格で高品質なスピーカーを消費者に提供したいという願望に突き動かされた彼らの努力は、1984年初頭に最初のスピーカー、DALI 2を誕生させました。コンパクトなデザインで優れた性能を発揮し、価格も他社製品の半分に抑えたDALI 2は、多くの消費者にとってエキサイティングなHi-Fiの世界への入り口となった注目のスピーカーでした。
設立当初、DALIはデンマークの2つの拠点RyとSkanderborgで活動していました。しかし、1986年には最初のモデルレンジの成功により、現在のDALIの中心地であるデンマークのNøragerに新しい工場を設立することになりました。セラーの一室から始まったDALIは、今や世界的なスピーカーブランドへと変貌を遂げました。
現在DALIのスピーカーは70カ国以上で販売され、世界中のオーディオ愛好家に音楽を聴く楽しみを提供しています。
(1986: ピーター・リンドーフがデンマークのNøragerにあるDALI本社の建設に着手。)
新しいビジネスで足場を築くことが出来たハウスブランドは数少ない、
だから会社を発展させるためには、努力しなければならなかったんだ。」
DALI CEO, Lars Worre
受賞と評価
DALIは長年にわたり、その製品ラインナップが数々の名誉ある世界中のアワードを受賞してきました。これらの賞は、ワイヤレス・スピーカー、サウンドバー、ホームシネマ・スピーカー、ヘッドフォン、そしてもちろんブックシェルフやフロアスタンディング・ラウドスピーカーなど、競争の激しいカテゴリーでも数々の受賞と評価をいただいてきました。
THE DALI TIMELINE
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1983: DALI設立
DALIはスカンジナビアの高級オーディオ小売チェーンHi-Fi Klubbenから生まれました。様々なサイズ、形状、性能レベル、価格帯のラウドスピーカーを求める多くの一般需要に後押しされたのです。創業者のピーター・リングドルフは、DALIの明確な使命を認識しました。
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1984: DALI 2
革新的なスピーカーDALI 2は、高価な競合製品に匹敵する性能を約半分のコストで実現しました。これは、DALI OBERON 3など現代の後継機にも受け継がれている価値重視の哲学の始まりとなりました。DALI 2は米国市場を飾る最初のスピーカーとなり、その後すぐにDALI 6が発売され、有名なソフトドーム・トゥイーターが導入され、ブランドの名声はさらに確固たるものとなっていきました。
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1986: DALI本社の誕生
デンマークのNøragerにDALI本社が建設されました。
DALI 本社: Nørager, Denmark.
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1986: DALI 40
「DALI 40の発売当時は、大変でした」これはDALIのCEO Lars Worreのコメントです。優れたドライバーとキャビネットのDALI40は超低共振が特徴でした。
DALI 40はまた、特許を取得した低音システムを搭載しており、4つの8インチ・ドライバー(そのうち2つはキャビネット内部)がLカップリング・システムを形成し、その結果生じるすべての反力と振動を打ち消すことで、他のどの競合製品よりも低音域を深く再生することを可能にしました。DALI40は瞬く間にスピーカー業界とオーディオマニアの間で有名になりました。 -
1990: DALIのグローバル化
DALIは、1980年代にはデンマーク国外では比較的少数のHi-Fi愛好家のみに対し製品を供給していましたが、1990年からグローバル市場への進出の為、輸出に特化した専門チームを設立しました。スピーカー開発で画期的なイノベーションの技術が相次いだことで、DALIの評判は世界の顧客からも高まりました。
その結果、2001年にはドイツに初の海外オフィスを開設、続いて2005年には英国にも営業所を開設しました。2006年までに、DALIは世界50カ国に進出することに成功しています。 -
1991: DALI SKYLINE
DALI SKYLINEスピーカーは、他に類を見ない斬新なデザインと最先端の性能を融合させ、世界的に大きな反響を呼びました。
リボン型トゥイーターとエレクトロ・ダイナミック・ドライバーの革新的な融合技術が世界中で高い評価を得ることが出来ました。 -
1992: DALI MENUET
MENUETはレビューワーの間ですぐに話題となり、発売から30年以上経った今でも世界中で販売されているスピーカーです。
MENUETは、DALIのラインナップの中でも最も小型(25cm x 15cm x 23cm)の製品ですが、そのサイズ以上のパンチがあり、コンパクトながら、ハイエンド機に負けない音質と高級感のある仕上げを実現しています。 -
1996: DALI MEGALINE
DALI MEGALINEは、DALIを代表するフルレンジ・ラインソース・システムです。その見事なデザインは、6個のダイポール・リボン・トゥイーターと24個のカスタマイズされたバス/ミッドドライバーの印象的なアレイを特徴とし、最小限の歪みと十分なダイナミック・ヘッドルームで卓越した明瞭度を実現しました。
当初はエンジニアリングのショーケースとして考案されましたが、比類のない品質と美しさを求めるオーディオ愛好家の熱烈な要望に応えるため、すぐに生産体制に移行しました。 -
2002: DALI EUPHONIA
DALI Euphoniaは、ソフトドームとマグネットトスタティック・トゥイーターの組み合わせを導入した先駆的なスピーカーです。この革新的な技術の融合により、DALIハイブリッド・トゥイーターの初期バージョンが誕生しました。
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2005: DALI IKON
IKONは、今日に至るまでオーディオファンやスピーカー愛好家にとって重要な存在であり続けています。
国際的な舞台でDALIが大きな躍進を遂げたことになったIKONは、899ポンドの価格帯で音楽のリアリズムを再定義し、あらゆるジャンルのオーディオで自然でパワフル、かつダイナミックな音楽性を難なく実現しました。世界のプレスから数々の賞賛を集めたIKONは、DALIで最も有名なスピーカー・ラインのひとつです。 -
2007: 中国にDALI独自の品質管理施設を設立
当初は外部調達部品の品質管理施設として設立された寧波工場は、瞬く間にDALI製部品の生産拠点へと変貌を遂げました。
この工場は、新世代のオーディオファンに本物のDALI Hi-Fiサウンドを知ってもらう上で極めて重要な役割を果たしています。DALIはこの工場の全生産工程を所有かつ管理しており、中国市場におけるDALI製品の販売本部としても機能しています。 -
2012: DALI EPICONシリーズにSMCテクノロジーを導入
DALIが音の未来へまた大胆な一歩を踏み出したのがEPICONシリーズです。このシリーズでは、25年以上にわたる取り組みから生まれたDALI独自の「リニアドライブマグネットシステム」を世界初披露。
SMC(ソフト・マグネティック・コンパウンド)の採用により、奇数次高調波歪みを排除し、EPICONシリーズに他のスピーカーにはない中域の透明感を与えました。SMCドライバーはデンマークのDALI自社工場において製造されました。 -
2014: DALI RUBICON
RUBICONシリーズは、大口径トゥイーターとともにDALIの特許であるSMCテクノロジーを搭載したシリーズです。シリーズ唯一のブックシェル型であるRUBICON2は、その価格帯の中で比類ないスケールとスピードのコンビネーションを提供し、「新しいクラシックスピーカー」としてレビュアーに認められました。
What Hi-Fiでは、RUBICON 2は5つ星を獲得しています。 -
2015: DALI OPTICON
EPICONシリーズから受け継いだSMCテクノロジーを搭載したOPTICONシリーズは、ロンドンの象徴的なホスピタル・クラブで、ライブ・グローバル・コンサート・ストリームと共にデビューを飾りました。
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2018: DALI OBERON
OBERONシリーズは、DALI独自のSMC技術をエントリークラスのスピーカーに導入したもので、ブックシェルフ型とフロアスタンディング型があります。5.1システム構成では、OBERON VOKALと組み合わせることも可能です。この汎用性の高いシリーズには、壁付け可能なOBERON ONWALLスピーカーも用意されています。
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2019: DALI IO-4およびIO-6
紛れもないDALIのシサウンドを提供するIO-4とIO-6ワイヤレスヘッドホンは、業界をリードする30時間を超えるバッテリー寿命とともに、高品質のaptX HD Bluetooth接続と没入型ノイズキャンセリング(IO-6)を提供しています。
快適さを追求したIO-6ヘッドホンは、栄誉ある2020-21年度EISA賞の最優秀ヘッドホン賞を受賞し、「素晴らしくパワフルでありながら開放的で情報量の多いサウンドは、DALIヘッドホンのセンセーショナルなデビューにほかならない」と評されました。 -
2022: DALI KORE
KOREはDALIの新たなフラッグシップであり、これまでにない新しい技術・構造そしてサウンドをもってハイエンドスピーカー市場にデビューしました。KOREは、革新的なEvo-Kハイブリッド・トゥイーター、そして第2世代のSMCテクノロジーを導入しています。
「 KOREは、DALIにとってデザイン、電気音響、エンジニアリング、製造、そして音楽的な再生を象徴するものです」と、DALIのLars Worre CEOは述べています。 -
2023: IO-12とEPIKORE 11
ミュンヘン・ハイエンド・ショウでは、IO-12ヘッドホンとEPIKORE 11スピーカーが発表されました。
DALI IO-12ヘッドホンは、DALIの40年にわたる受賞歴に裏打ちされたオーディオの専門知識をもとに、圧倒的なHi-Fiクオリティのサウンドと贅沢なレベルの快適性を提供します。ワイヤレスノイズキャンセリングヘッドホンでありながら、有線のハイエンドヘッドホンと同等の性能を持つIO-12は、DALIのハイエンドスピーカーと同じ素材を使用し、DALIの特許技術であるSMCテクノロジーを採用した世界初のヘッドホンです。低歪スピーカー設計の新たな基準を打ち立てたEPIKORE 11は、EPICONシリーズの自然な進化形であり、フラッグシップスピーカーDALI KOREからいくつかの新技術を受け継いでいます。究極のオーディオ・リアリズムと贅沢なクラフトマンシップを融合させ、真に卓越した音楽体験を実現する曲面仕上げのリアルウッド・キャビネットには、4基のパワフルな8インチ・バス・ドライバー、非常にダイナミックな61/2インチ・ミッドレンジ(それぞれDALI独自のSMC Gen-2テクノロジーを採用)、そしてDALIのシグネチャーであるEVO-Kハイブリッド・トゥイーター・モジュールが搭載されています。